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方針 

 日本の絶滅のおそれのある維管束植物は1779種類(環境省第4次レッドリスト)。哺乳類の34、鳥類の97など他の生物と比べると圧倒的に数が多いことが分かります。絶滅のおそれのあるすべての生物が3597種類ですから、ほぼ半分が植物なのです。
 生物は種ごとに異なった性質を持ちます。したがってひとつひとつの種の生態や生理に関わる特性を知り、栽培や繁殖に関する知見を集積することが重要です。ところが植物は対象種が多いため、保全に必要な情報が記録されていないばかりか調査・研究すら進んでいない種が大部分です。対象種が多くないため情報を集積しやすい他の生物との大きな違いです。
 こうした現状を変えるためには、絶滅危惧植物の調査・研究を加速するとともに、種の特性情報を集約・共有する「メモ帳」が必要です。このデータベースは、植物園をはじめとする全国の植物の保全に関わる専門家の知見や、これまでに出版された文献などをよりどころに、日本の絶滅危惧植物の特性情報を集積する「メモ帳」です。環境省だけでなく県など地方自治体のレッドリスト掲載種も対象とします。情報収集を始めて日が浅いためまだ対象種を網羅したものになっておりませんが、引き続き内容の充実に努めてまいります。生物多様性保全に関わる活動で広く利用していただければ幸いです。